オリジナルサスペンス2:武田探偵の事件簿:推理同好会殺人事件:#5

「杉下さん!グレイさんがどうかなされたんですか!?」
「い、いや、扉の前を通ったら、うめき声が聞こえて・・・。かすれ気味だったのですが、心配になって・・・・。」
「・・・・。鍵がかかってますね・・・。ぶち破りましょう!二階堂さんも手伝ってください!」
「わ、わかったわ!」
 私と杉下さんと二階堂さんの3人でドアをぶち破った。すると、中では余りにも悲惨な光景が広がっていた・・・。
「!?ぐ、グレイさん!!?ちょ、ちょっと大丈夫!?」
「に、二階堂さん!待ってください!」
「す、杉下さん・・・。」
「これでも監察医の経験がありまして・・・。私に診せてもらえないでしょうか?武田さん・・・。」
「・・・、いいですよ。」
 こうして、杉下さんは背中に刃物が突き刺さったグレイさんを診た。コナンさんと畑三郎さんは、既に広間にいる。
 杉下さんが戻ってきた。
「グレイさんはどうでしたか?」
「・・・、残念ながら、背中に突き刺さっていた刃物が心臓に到達していました・・・。」
「失血性ショック死ですか・・・。」
「ウソ・・・。ぐ、グレイさんが・・・死んだ・・・!?」
「おそらく殺されたのでしょう。」
「え!?」
 武田の言葉に、納得しながらも驚く声が。
「刃物は背中に刺さっていた・・・。何らかのトリックを使用すれば、自殺のトリックとして出来ないこともないが、それがないとすると・・・。犯人が後ろから襲い、刺したと考えるのが一番ではと・・・。とりあえず、杉下さんはグレイさんの部屋を封鎖してください。それと、腐敗しないように氷を・・・。」
「は、はい!」
 突然のグレイさんの死。しかし、私には現場を見ただけで犯人が誰かが、薄っすら分かっていた・・・。