オリジナルサスペンス2:武田探偵の事件簿:推理同好会殺人事件:#3

「それでは、全員集まったことですし、まずこの同好会の狙いなどから説明しましょう。まあもう分かっているとは思いますけどね!」
 なぜか全員どっと笑った。いや、今の言葉に笑のつぼなどないと思うが・・・。いや、なくても笑うと言う芸人かおまけの・・・。
「この同好会では、皆さんの好きな小説の話など、推理に関することであればなんでもOKです!それではどうぞ!」
 前置きが短すぎる・・・。『なんでもOKです、どうぞ』で済ますのもどうかと・・・。まあしかし、杉下さん以外の本名は分からないから、全員気楽に話せるもの・・・なのだろうか。
「探偵さんは、どんな小説をお読みに!?」
「・・・え?」
 コナンさんが話しかけてきた。まあ、もう談笑は始まっていることだし・・・。いや、始まってない。全員私の周りに集まっている・・・。
「しょ、小説ですか・・・。仕事柄、暇なときは割りと読みますが、急な仕事などで毎回変なところで読むのを止めてしまうのが多いので・・・。」
「いいんですよ、そんなのは!何読んでるんですか?!」
 え、強制?多分、私が話さないと全て始まらないんだろう。とりあえず、全部読んだ話だけでも言うとしよう。
探偵ガリレオの、燃える・・・は最後まで読んだ話ですね。今既読中なのは、もっとも有名なシャーロック・ホームズのまだらの紐、爬虫類館殺人事件、あとABC殺人事件ですね。先にメジャーなのを読むのが主義なんですよ。」
「ほほー!爬虫類館殺人事件ですか!」
「まあ、まだ1ページも読めてないんですけどね・・・。」
「あ、やっぱり仕事で・・・。」
「はい。なぜか読み始めると来る、と言うジンクスがありまして・・・。」
「そ、それこそ謎ですね・・・。」
 なんと、意外にもう打ち解けてしまった。私が打ち解けているのか、打ち解けさせられているのか・・・。その後も、会話は弾み、1日目は終了した。