ダイアリーオリジナル:武田探偵の事件簿:切断島殺人事件:#24

「田部さん・・・、あなたの動機はもしや、3年前の・・・。」
「・・・・・・・・・・・・はい・・・・・・・・・・・・。」
 田部の動機はやはり、3年前の陰惨な事件だった。田部は静かにそれを話し始めた。
「私と淳司と麗華は、簡単に言ってしまえばこの視までもっとも親しい間柄でした。特に淳司とは、誰が早く麗華を射止めるか、とか・・・その・・・良いライバルでもあった存在だったんです。結局、敦が射止め、僕はその2人の故意を応援しようとしました・・・。でも・・・。」
「その直後・・・あたりになくなったと・・・。」
「・・・・・・・つい4日前ですよ・・・秘密を知ったのは・・・。まさか、鹿沼と雪村と鳶沢がヤったなんて・・・な・・・・。」
 今まで名前で呼んでいた田部が、苗字で呼んでいた・・・。それは、かけがえのない親友を奪われた、怒りによるものだろう。
「そこで3人は、こんなことを話していたんです・・・。」
『ちょっと・・・今度、霧島君のお友達・・・が来るらしいよ?しかも探偵・・・。』
『た、探偵!?』
『おいおいビビッてんじゃねーよ2人とも!どうせ証拠なんてありゃしないんだ。証拠がないんだったら、つかまらないし、可能性としてこの島の誰かが気づいても、復讐とかうんたらいう奴なんか、いやしねーよ。ゼッテー皆あの2人嫌ってたからよ!本当は精々してると思うぜ?!どうせ末期癌で淳司は半年で死ぬ運命だったんだ・・・。麗華がそれを追いかけたと思えば、平気だってば!』
「驚きましたよ・・・特に末期癌の話は・・・。そういう病気は、淳司は話したがらない人で・・・。でも・・・いくら半年の命だったとしても・・・・・・・命を奪うことなんてなかったはずなんだ!!!奪うはずなんて・・・。」
 食べはその場で泣き崩れた。その後、仁本警部率いる警視庁が遣ってきて、田部は殺人罪で逮捕、鳶沢千晶は、3年前の事件の殺人の関与と遺棄で逮捕された。
 そして、残された松谷兄妹と霧島竹光、斉藤ひかるは、この瀬津檀島を離れるという・・・・。
「ほ、本当にここ出ちゃうの?霧島・・・。」
「ああ、零次。ここは・・・・・、淳司と麗華の家だよ。彼らは今、この島に眠っているんだ・・・。」
「そういやー、無理言ってここに墓作ってもらったんだっけなー・・・。」
「お兄ちゃん、それは忘れていたけど、お焼香はなぜか1日一回必ずしてたよね。」
「は!俺はこれからも1ヶ月に一回はしに来るぜ!」
「そーいって、結局1日1回きちゃうんじゃないのー?」
「ひ、ひかる!!うるせーぞ!!」
 何はともあれ、この事件は終幕したのであった。