ダイアリーオリジナル:武田探偵の事件簿:切断島殺人事件:#17

「オーイ、タッツー?何々?霧島から呼んでるよーって言われたけど・・・。」
「ああ、零次。今からこの『6台』の電動鋸すべてをくまなく探すんだ・・・・。」
「え?!6台もあったの?」
「『よく探したら』な・・・。工具箱に1つ、干草にまぎれていて、錆びているが、まだ使えるのが4つ、錆びていて、もう使い物にならないのが1つ・・・計6台だ。」
「錆びて使えないのって・・・調べなくてもいいんじゃ?」
「念のためだ。使えないのは承知の上・・・だが、もしかしたら、『半ば強制的に錆びさせた凶器』という可能性もある。」
「なるほど!OK!」
「6台だから、分けて3台ずつ調べることにしよう。零次は錆びていない工具箱のと、錆びているが使える奴2台の計3台を。残りの3台は・・・。」
タッツーが、ってことね!OKOK!」
 武田と零次は、6つの電動鋸を調べ始めた。6台の電動鋸に共通しているのは、『赤い』ということ。武田は、零次にこういった。
「本当は警察が着たら、6台ともルミノール反応を確かめたかったんだ・・・。」
「いくら死んだあとにきったとしても、返り血は鋸には付いているはず・・・。ということは、このうち1つでもついていれば!」
「本当はすぐに切断させた凶器が分かるはずなんだ。だが、それは犯人によって塞がれた・・・。」
「漁船の破壊・・・。」
「・・・話していても仕方がないな。こっちはあと1台だ。零次は?」
「もー終わったよー。キレイなほうには何もなし!錆びている2つも異常なし!後はタッツーだけだよ!・・・、そういえば、『本当にこの電動鋸で切った』のかな?」
「ん?なんでだ?」
「いや、ひとつの可能性だよ。もしかしたら、別の何かで切ったんじゃないかなーって。」
 そういう零次に対して、武田は普通に返答した。しかもきわめて冷静に。
「そうだよ。」
「・・・へ?」
「別の何かで切ったんだ。だが、電動鋸は使ったんだよ。」
「え?!どういうこと?」
「物的証拠がさっきまで見つからなかったんだけどな?今見つかったよ。『物的証拠』・・・。あとは『まだ分かっていない犯人について』だな!」