ダイアリーオリジナル:武田探偵の事件簿:切断島殺人事件:#16

「それでは、その3年前の事件について・・・詳しく。」
「は、はい・・・あれは・・・3年前・・・そう、丁度『鳶沢千晶』がここに住むことになったときです。この家は、今から5年前に使われるようになり、僕が一番最初に住み着いたんです。そして、松谷兄妹、香苗、慎一郎、ひかる・・・アツシとレイカ、謙輔ときて千晶が住み着いたんです。」
「ほう・・・、アツシとレイカ、という方は?」
「『櫻木淳司』と『小林麗華』・・・、同時期に住み着いた男女です。2人は、元々同じ高校に通っていた幼馴染らしくて、一緒に。」
「なるほど。」
 謎の人物、アツシとレイカについて分かった。武田は、途中で話を変えてしまったことをわびてから、続きを聞いた。
「千晶が入ってきて・・・、丁度1日が過ぎようとしたときなんです。・・・・・・・・・・、淳司と麗華が・・・今回の事件同様に、バラバラの状態で見つかって・・・。」
「千晶さんが入った途端?千晶さんは、そのとき関係ないのでは?」
「いえ、それが『分からないのです』よ・・・。そのときは、電動鋸の歯は確かにありました。しかし・・・、どの部屋にも、替え刃は当時あったんです。もちろん、千晶の部屋にも・・・。遺体の発見場所は家畜小屋・・・。血文字で『血ニ飢エタ鬼、今此処ニ参ラン・・・。切裂鬼』と・・・。」
「なるほど・・・。あなたは、千晶さんが当時の事件の首謀者である可能性がある、と、今回の事件で思ったわけですね。」
「そ、そういうことです!!」
「・・・、その当時は、確かに電動鋸は、専用の刃で・・・?」
「はい。それ以外の工具とかで言えば・・・、普通の鋸位です。まさか、包丁でなんて・・・。」
「無理でしょうね、女性の力ではさらに。電動鋸を使ったと見て間違いないでしょう。となると、3年前のその事件の被害者、櫻木淳司さんと小林麗華さんは、今回殺害された鹿沼謙輔、雪村香苗、そして今保護されて鎮静中の鳶沢千晶の3人に、何らかの接点があったと見て間違いないようですね・・・。あの家畜小屋にある電動鋸を、もう一度見せてもらってもいいでしょうか?」
「え?あ、あの電動鋸・・・をですか?か、構いませんが・・・。」
「ありがとうございます。それでは、広間に戻っていてください。あ、あと零次を家畜小屋に呼んでいただけないでしょうか?」
「れ、零次君を?・・・・・・わ、分かりました・・・。」
 武田は、霧島とのやり取りを終えたあと、家畜小屋にて、零次と再調査に乗り出した。