ダイアリーオリジナル:武田探偵の事件簿:切断島殺人事件:#11

「うわぁ・・・、見るのヤダ・・・。」
「無理しなくて良いぞ。強制はしていないから・・・。」
「いや、タッツーのお供は僕の役目だもの!」
「頼もしいな・・・。ほい、エチケット袋。」
「は、はく前提なんだね・・・でもあたってる、ありがとおぉぇ。」
「感謝しながら吐くなよ・・・。」
 武田と零次は、被害者の遺体の様子をまず調べ始めた。切断面は鋭利な電動鋸で切ったようだった。
「これは、あとで霧島さんに聞いてみるかな。」
「え・・・何を・・・?」
「遺体の切断面は、電動鋸で切ったような切り口になっている。この家の古株的存在の霧島さんなら、ある場所を知っているだろう。たとえこの家畜小屋にあったとしても、今は現場検証中、勝手に探すことは許されない。警察もこれない状況だからね・・・。携帯も圏外だし。」
「なるほど・・・。じゃ、じゃあ早速聞いてみるとする?」
「ああ、そうしよう。」
 武田と零次は、霧島の元へ行き、電動鋸のことについて質問した。霧島は、心なしか話したくなさそうな顔をしている。それもそのはず、この家でともに過ごしてきた一人が、恐ろしい状態となって発見されたのだから・・・。しかし、口を閉ざしていても仕方がないと思ったのか、そのことについて口を開いた。
「電動・・・鋸ですか・・・。ありますよ、家畜小屋に。でも・・・。」
「で、でも?」
「家畜小屋に行けばわかりますが・・・。しかし・・・その・・・。」
「遺体には私が申し訳ないですが、借りている部屋のシーツを使ってをかぶせましたので大丈夫です。だめでした・・・か?」
「あ、いえ、それは別に大丈夫です。では・・家畜小屋に。」
 そういって、再び、いや三度家畜小屋へ。そして、工具がおいてある場所にて尾伸ばした霧島さんは、電動鋸を持っていった。
「このとおり、電動鋸事態はあるんですが、刃は全て処分していて、使えないんです。使う機会がないので、全て処分してしまったんです。刃は全てこの小屋にあったので、全てを・・・。」
 武田の想像は、外れてしまった。電動鋸は使用できないという事実を知ってしまったために・・・。