武田探偵の事件簿:未知と悪魔のサイエンス:#26

武田(蜘蛛だ!蜘蛛があの廊下を歩く音の正体だ!)
零次「?タッツー、どうしたの、怖ろしい笑顔して。」
 武田は、零次の脳天に思いっきり拳骨を叩きつけた。
武田「おまえなぁ、こっちは真剣に推理してるんだよ!なんだよ!怖ろしい笑顔って!不気味じゃないか!」
零次「いやだって不気味なんだもん・・・」
翼「まぁまぁ、ところで、『蜘蛛』というキーワードで、何か閃いたようですけど?」
 神宮寺の指摘に、武田は、蜘蛛が今回の廊下の音について説明した。
愛之助「ハァ!?く、蜘蛛こそ廊下を渡る音の正体だぁ!?」
武田「ああ。性格には、蜘蛛その物ではないんだがな。」
零次「どういうこと!?順を追って説明してよ。」
武田「ああ、いいよ。まず、あのギシギシという音、あの音の正体は、何らかの木で出来た関節部分の音だと思うんだ。私が蜘蛛で閃いたのは、その関節だよ。犯人が、強化さんのフリをして、歩きながらそのきでできた関節を動かす。幸い、個室はその生き返った京香さんからみて、左側にある。右に隠し持っていけば、否が応でも音がなり、気になってしょうがない人たちが、外も見ようとする寸法だ。もともと、この本館も木造建築で・・・」
零次「え!?そうなの!?」
武田「ああ、今は外壁がコンクリート製だけど、昔建てられたころは木造権利苦でな。今でも廊下と骨組みは木のままで、壁だけコンクリートにしたんだよ。言っとくがこれは、『三間坂キングホテルHP』に載ってるぞ。」
愛之助「た、確かにその方法なら、否定は出来ないが・・・それが木という根拠は?」
武田「鑑識さんにこっそり頼んでもらって、微量の木屑を採取してもらったんだ。ホラ、曲げた時に零れ落ちた木屑にそっくりだろ?技術家庭科でこういうの作った人なら判るけど、こういうのって、曲げてると、残った木屑や、削れた部分が零れ落ちてしまう物なんだよね・・・」
 廊下の不気味な音の正体が解決した。後は犯人の正体だけ。と思っていた・・・。