武田探偵の事件簿:未知と悪魔のサイエンス:#18

希美子「グラスにあるけど、グラス自体にないって?」
 武田は、グラスに毒物があるが、必ずしもグラス自体にあるとは限らないと言った。どういう意味なのだろうか。
武田「いいか、三千子氏が飲んだのは赤ワインだ。普通、ウイスキーと赤ワインは、同じグラスに入れないだろ?」
零次「あ!確かに!ワイングラスにワイン、それと・・・なんていったらいいんだろう、ファミレスのコップみたいなのにはウイスキーだ!」
武田「ああ。三千子氏は先代の会長であった。通常ならば、ウイスキーではなく、上品な赤ワインを選ぶはずだ。」
小木「では、全てのグラスではなく、ワイングラスのみに仕込まれていた・・・ということですか!?」
武田「ご名答!」
剣ヶ峰「でもそれおかしくねぇか?俺もワインだったけど、毒なんて・・・」
武田「剣ヶ峰さんが飲んだのは、白ワインでしょう?」
剣ヶ峰「あ、ああ・・・でもそれがなんだっていうんだ?」
石沢「あ!まさか、ワインはワインでも、赤ワインだけに仕掛けたと言うことですか?」
武田「そういうことだ。良く見ると、白ワイン用と赤ワイン用で、ワイングラスを使い分けているみたいだからね。白ワインは、飲み物を入れるところが縦長にのびている。一方、赤ワイン用は丸型だ。スタッフさん、赤ワインは何人分用意していたんですか?いくら適当だからといっても、何を飲むかは決めていたんでしょう。」
スタッフA「あ、はい。3000人のお客様の中で、ウイスキーが1460名のこりの1540名がワインで、その内830名が白ワイン、残りの710名が赤ワインです。」
 ウイスキーとワインで半分、赤ワインと白ワインで半分とほぼ分かれた。これが、犯人へと繋がるのは、間違いないだろう。